【距骨離断性骨軟骨炎】手術で完治した中学生の体験談!「足首の奥が痛い」

  • 2021年5月22日
  • 2024年3月27日
  • LIFE

距骨離断性骨軟骨炎(きょこつりだんせいこつなんこつえん)。

はじめて耳にする言葉でした。

娘が中学生の時、足首の手術を受けました。

はじめて病院で診てもらった日から足を地面に着けるようになるまで、5カ月間の松葉杖生活…。

距骨離断性骨軟骨炎の原因や症状、治療法について、娘の経験をもとにご紹介します。

※あくまでも、我が家の娘の事例です。症状や治療法は人それぞれであることをご了承ください。

距骨離断性骨軟骨炎とは?

距骨離断性骨軟骨炎とは、関節の中で軟骨が剥がれてしまう障害です。

運動の盛んな10代によく発生し、たいてい片側の足に起こるものですが、まれに両足に起こる場合もあります。

距骨離断性骨軟骨炎の原因は?

原因にはさまざまなものがありますが、最も多い原因のひとつに、繰り返す足首の捻挫があります。
適切な治療をうけずにそのまま放置すると、痛みや腫れは治まることもありますが、足の関節が不安定な状態になってしまいます。
そしてそのまま運動を続けると、さらに捻挫を繰り返すようになってしまいます。

足首を強く捻ると、足の関節の骨どうしが衝突し、何度も繰り返すうちに距骨の軟骨が徐々に傷ついていき、さらに症状が進むと、軟骨の下の部分の骨が壊死してしまい、完全に骨が剥がれてしまいます。

剥がれた骨軟骨片(こつなんこつへん)は徐々に丸みをおびて、関節鼠(かんせつねずみ)と呼ばれる遊離体となり、骨の間に挟まって関節が動かなくなってしまうこともあります。

距骨離断性骨軟骨炎の症状について(娘の場合)

進行の度合いよって、症状は大きく異なります。初期は、足首に軽い違和感があるくらいで、痛みもほとんどありません。運動もできるくらいです。
しかし症状が進むと、一時的に足首が腫れたり(運動を休めば腫れが引く)、体重をかけると足首の奥が痛くなったりします。
さらに状態が悪くなると、足首を自由に曲げ伸ばしできなくなってしまいます。

距骨離断性骨軟骨炎の診断

初期の場合、通常のレントゲンで写りにくいので診断が難しく、特殊な方向からの撮影が必要です。
さらに、CTやMRI検査を行い、病変部の状態や大きさなどの確認を行います。

距骨離断性骨軟骨炎にはどんな治療がある?

治療法は病型や年齢によって分けられます。

関節鏡にて直視下で確認し、軟骨が剝がれているなど所見があるかどうかによって治療方針が異なります。

  • 非分離型(骨軟骨片が浮き上がっているけれどまだ剥がれていない状態)
  • 遊離型(骨軟骨片が完全に剥がれている状態)

非分離型の場合は、若年者であれば安静や免荷(体重をかけないこと)によって修復を待つ方法もありますが、関節鏡にて直視下で「ドリリング」をおこないます。
遊離型の場合は、軟骨をはがして距骨の土台に穴をあける方法をとります。

いずれの方法も、骨軟骨欠損部に小さな穴をあけ、出血を誘導する方法で、これにより損傷部の修復を図ります。

手術に使われる関節鏡は細い筒状のカメラで、体への負担も最小限に抑えることが可能で、傷口もほとんど目立たないものです。

距骨離断性骨軟骨炎の手術、術後は?

リハビリテーションでは、軟骨の再生を促すような訓練と、足関節に負担をかけることのない方法で足周りのストレッチと筋力強化をおこないます。

3カ月程度で、スポーツ完全復帰が見込めることが多いようです。

距骨離断性骨軟骨炎!?娘の症例をご紹介します

当時中学生だった娘は、ソフトテニス部で元気に活動していました。

歩くと足首の奥が痛い…

中1の12月、左足を地面に着くと足首の奥が痛いと言い出したのです。
特にひねったりしたわけではなかったし、腫れもなかったので、テニスでちょっと痛めたのだろうと、家にあった湿布を貼って様子をみていました。

年末にテニスの合宿もあったのですが、湿布を貼りながらなんとかこなしていました。でも、年が明けてもやっぱり痛いというので、心配になり整形外科へ。

レントゲンを撮ってみると…なんと足首の関節にある軟骨が、一部ひび割れていたことがわかったのです!

MRIのある大きな病院で精密検査を受けるように勧められ、「足を地面につけないように!体重をかけないように!」と松葉杖を渡されました。

なんだか、大ごとのようです…。

紹介状を持ってすぐに総合病院へ行きました。

医師に言われた言葉…「運動はあきらめて」

総合病院でMRI検査を受けた結果、足首にある軟骨の一部がはがれかけ、その下の骨の一部が壊死していることがわかりました。

これは、娘の足のMRI画像です。

赤で囲ったところが患部です。ひびが入って、少し黒くなっている部分があります。

これが、足首の奥が痛い原因でした。

その総合病院の整形外科は、スポーツ外科を得意とし、とくに膝の専門医がいる評判の良いところです。

このMRIの結果をみて、ひびが入って剥がれかけた軟骨をくっつけたり取り除いたりする手術もあるけど、まだ13歳の若さだし、数年安静にすれば軟骨が再生するから、自然治癒するのを待ちましょう、と言われました。

そして、「そのためにも中学生のうちは、体育も部活も、運動はあきらめて」と…。

診断名は、「距骨離断性骨軟骨炎」というものでした。

手術して完治を目指すという選択肢があるなら、そうさせてあげたい。

そう思って、帰宅してからネットで調べまくりました。

転院を決断

そして、幸いなことに、優秀な「足の専門医」を見つけたのです!

まさに距骨離断整骨軟骨炎の手術もたくさん経験している先生でした。

すぐに担当医に紹介状をお願いして(これで二度目!)、そのネットで見つけた先生の在籍する大学病院に予約を入れ、診てもらうことにしました。

光が見えた医師の言葉「すぐに手術しちゃいましょう」

転院先の大学病院で、あらためてレントゲンとMRI検査。

そして診察を受け、先生から

「この症例の手術は、たくさんの経験があります。画像をみてもそんなに難しいケースではないので、手術とリハビリによって十分完治が見込めるでしょう。術後8週程度でランニングもできるくらいになりますよ。」

とのお言葉が!

「先延ばしにする意味がないので、早く手術しちゃいましょう。」

といって、その場で手術の予約をいれてもらえたのです。

先生からの丁寧でわかりやすいお話を聞いて、わたしたちはその先生に対してとても大きな安心感と信頼感を抱きました。

セカンドオピニオン、とても大切ですね。

距骨離断性骨軟骨炎の術後の経過

ちなみに娘は「非分離型」で、ドリリングをおこなったそうです。
入院初日に全身麻酔での手術、2泊3日の入院でした。

手術の翌日から自分で足関節を動かす練習を始めました。
患肢を免荷して松葉杖歩行も可能になりました。

術後3週から荷重を開始し6週で全荷重となりました。

術後8週程度でランニング開始、スポーツ完全復帰は10~12週の予定と言われていましたが、その通りになりました。

「運動はあきらめて」という言葉に疑問を持ってよかった。

あきらめないでよかった。

中2の4月に手術を受け、7月には部活のテニスにも完全復帰していましたから!

捻挫(ねんざ)を甘くみてはいけない!

繰り返す捻挫、要注意です。

捻挫は放置するべきではなく、毎回きちんと完治させることが大切だと痛感しました。

距骨離断性骨軟骨炎は適切な治療によりスポーツ完全復帰も!

骨軟骨の欠損部位を元通りに修復する方法によって、ほとんどの場合がスポーツ等に復帰をしています。

足の関節に違和感、不快感をおぼえたら、早いうちに足の専門医のいる病院を受診することを強くおすすめします。

2023年5月9日 12:58
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