仮面浪人生が大学を休学する場合や辞める場合、どのタイミングで、どんな理由で届け出るのがよいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
4月から大学に通いながら仮面浪人をしていた娘が、後期は休学することを決断。
夏休みに入る直前に、学生相談窓口に行って休学の手続きをしてきました。
手続きの手順や休学の理由について、娘のケースとあわせてご紹介します。
仮面浪人で休学すべきかどうかは本人のメリット・デメリットによる
仮面浪人をするうえで、受験まで大学にいくのか、大学には入学金のみ納めて通わないのか、前期は大学に通うけど後期は休学にするのか、いろいろなパターンがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、何を重要視するかで選びかたは本人次第ということになるでしょう。
娘の場合は、大学に入学して前期は授業に出席してある程度の単位も取りました。
そもそも、娘がなぜ仮面浪人の道を選択したのか、仮面浪人のメリット・デメリットをまとめた記事もありますので、ご覧くださいね。
関連記事:純浪と仮面浪人どちらを選ぶ?メリット・デメリットまとめ
大学に通い、授業や課題をこなしながら受験勉強をしてきましたが、在籍している学科の特性上、課題がかなりヘビーで、一週間のうち、なかなかの時間を割かなければいけませんでした。
純粋な文系の学科なら、後期も受験勉強との両立ができたかもしれません。
そこは、実のところ想定外のことでして・・・。
退学にしようかとも考えたようですが、休学なら、設備使用料の一部(数万円)を納めることで大学の図書館や学食などを利用することができるし、学割も利用できる。
そしてなにより、チャレンジしたい大学だけ受験すればよいという仮面浪人の大きなメリットは、やっぱり大切にしたい、という結論に至ったわけです。
他にも検討したことはたくさんあり、ひとつひとつ、きちんと相談して決めました。
仮面浪人で休学するためにすること
後期から休学する場合、納める必要がある費用や手続きの期限など、大学のホームページなどでしっかり確認しておきましょう。
大学によって、授業料や設備使用料の一部など、納める必要のある費用が異なります。
また、手続きが遅くなって後期の学費を納めなければならなくなるなど、不本意な事態になってしまうかもしれません。
休学を決めたら、できるだけ早く手続きを済ませることをおすすめします。
大学に許可願を提出する
まずは、学生相談窓口となるところへ相談に行きましょう。
許可願など、申請に必要な書類を受け取り、必要事項を記入して提出します。
記入項目などはあとでご説明しますね。
提出後のフローは、大学によってさまざまだと思いますが、学部長と面接が必要な場合もあるようです。
とりあえず、書類を提出したら大学からの連絡待ちです。
奨学金を利用している場合は手続きが必要
休学となると奨学金がストップすることになります。
たとえば、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金であれば、「異動願(届)」をダウンロードして必要事項を記入し、大学の奨学金窓口に提出します。
後期休学の場合は、8月中旬までに大学の窓口に郵送し、10月から奨学金の支給が休止する、という感じです。(こちらもご自身の大学で確認してくださいね)
許可願の記入項目
書類は、大学によって形式が異なるため、 あくまでもひとつの例としてご紹介します。
- 提出日
- 本人の学部学科・学籍番号・住所・電話番号・氏名(自署)・生年月日
- 保証人の住所・電話番号・氏名(自署)
- 休学・退学・再入学を選択
- いつからか、または、いつからいつまでか
- 休学・退学事由
仮面浪人中の休学の理由はどうする?
申請する上で重要になってくるのが、「事由」の項目です。
大学によって形式が異なるため、 事由については、 あらかじめ選択肢がある場合や文章で記入しなければならない場合もあるでしょう。
【選択肢がある場合の例】
- 就学意欲の低下
- 進路変更(就職)
- 進路変更(他機関への入学・転学・編入学)
- 進路再考
- 経済的困窮
- 学力不足
- 身体疾患
- 精神的理由
- 海外留学 ➡ 滞在国・施設名を記入
- その他 ➡ 事由を記入
「2.進路変更(就職)」「3.進路変更(他機関への入学・転学・編入学)」 は、許可願の種類で「退学」や「編入学」を選択した場合の項目ですね。
仮面浪人の場合は、正直に申請するなら「4.進路再考」となるでしょう。
選択肢にこれがあるということは、仮面浪人が黙認されているということになるので、取り繕う必要はなくなります。
【記述の場合】
問題は、こちらです。
事由を「仮面浪人をしているため」とするのは、あまり有効ではないという意見をよく耳にします。
ほかの大学を受け直すために休学するというのは、あまり印象が良くないとのこと。
再受験するというと、退学をすすめられる場合もあるとか。
では、一般的にどんな事由が通用するのでしょうか?
●「経済的困窮」とすると・・・
一番有効である、とする意見が多いようです。
しかし、今はさまざまな大学で、独自の給付金制度などの救済措置が設けられているので、救済されてしまうかもしれません。
そもそも、仮面浪人して再受験するという時点で、一定の経済的水準を満たしているご家庭は少なくないでしょう。
大学側が親身になって相談に乗ってくれてしまうかもしれないので、経済的困窮が本当でない場合は、学生さんは口ごもってしまうかもしれません。
●「身体疾患(病気)」とすると・・・
病気の場合は、診断書が必要となるらしいです。
こちらも、本当でない場合は難しくなってしまいます。
仮面浪人での休学の事由は、正直に申告するのが理想的
結論になりますが、やはり正直な理由を示すのが一番なのではないでしょうか。
大学生にとって、はじめから再受験を考えていたわけではないにしろ、入学して授業を受けてみてから、どうしても自分に合わないと感じたり、本当に自分が勉強したいことがわかったりすることは、あって不思議ではありません。
ましてや退学ではなく休学ということは、またその大学に復学する可能性があるということです。
もしかしたら卒業まで在籍するかもしれないことを忘れずに 、今の大学が嫌だからとか、そのようなネガティブな理由ではなく、前向きな自分の意思を示すことが大切なのではないでしょうか。